なっち、かおりんが9・1札幌で最終公演

モーニング娘。の節目を記念して今年1月結成され、全国ツアー中のユニット「モーニング娘。誕生10年記念隊」の最終公演が9月1日、Zepp Sapporoで行われる。第1期メンバーの安倍なつみと2代目リーダー飯田圭織(ともに26)にとっては、故郷で迎えるファイナルライブ。国民的アイドルに上り詰めた「道産娘。」2人が、現在の心境と明日のアイドルを目指すティーンエージャーにメッセージを届けてくれた。

 モー娘。誕生10年の節目に新旧メンバー5人で構成された「モーニング娘。誕生10年記念隊」。98年の結成時からメンバーをけん引し、卒業後もソロ活動を続ける1期生の安倍と飯田。特に飯田は札幌でのライブを終えると産休に入るとあって思い入れは深い。そんな2人の故郷でのファイナルステージ−。

 飯田「北海道は私たちにとって一番大切で大好きな場所。道民の皆さんのおかげでここまで来られたのですから。このコンサート後に産休に入ります。1つの節目として故郷でコンサートができることは本当に意味深く、うれしく、重みがあります。これまで応援してくれた感謝の気持ちを込めて、思い切り私たちも楽しみたい」

 安倍「回っている会場はどこも親しみがあって、ファンの皆さんとの距離も近く感じます。ファンの皆さん対私たちじゃなく、みんな1つのチームという感じのコンサートにしたい。私たちの歴史そのものを見にきてほしい。今からどうなるんだろう、と考えただけでワクワクします」

 室蘭の同じ病院で2日違い(飯田の方が早い)で産声を上げた見ず知らずの2人は、十数年の時を経てオーディションで再会。知らぬ人がいないアイドルタレントとなった。芸能界で10年を過ごした2人が、今だから明かせること、伝えられることを話してくれた。

 安倍「歌手を目指したのは中学の時、ラジオから流れてきた『JUDY AND MARY』の曲『小さな頃から』を聴いたのがきっかけ。いじめに遭い靴や制服を隠されジャージーで登校、松ぼっくりをぶつけられたり…。もうダメだと思っていた時でした。歌の力ってすごいと感じ、見返してやろう、負けないって。そうするとどんどん光りが見えてきたんです。ジュディマリは全曲、歌詞カードなしで歌えますよ(笑い)」

 飯田「物心ついた時からテレビの前で物まねをしたり公園でも楽しそうに歌っていたそうです(笑い)。本当に歌が大好きでした。3度目のオーディションで合格したのですが、その間には『絶対に無理なのに何であの子は…』とか周りから聞こえてきました。やっぱり芸能界は夢のまた夢の世界…。何度も挫折しました。それでも決してあきらめようとは思わなかったんです」

 ともに16歳で上京。待ち受けていたハードなレッスン、目まぐるしく入れ替わるメンバー−。ホームシックで泣き明かし「ティッシュ1箱使ったこともあったね」と顔を見合わせて笑った。そんな激流の中で励まし合って成長し、数多くのヒット曲を発表し続けてきた。「つらいことは必ずバネになると思う」と声をそろえた2人。札幌でのステージは、無我夢中で駆け抜けた10年を証明する場所でもある。【奥村晶治】

 ◆安倍なつみ(あべ・なつみ) 1981年(昭和56)8月10日生まれ。飯田と同じ97年9月のテレビ東京「ASAYAN」のオーディション企画で「モーニング娘。」としてデビュー。03年8月に初のソロシングル「22歳の私」をリリース。04年1月にモー娘を卒業し、ソロとして本格的に活動を開始。ミュージカルやドラマなどにも多数出演。趣味は「笑う事」というほど自他ともに認める童顔。血液型A。

 ◆飯田圭織(いいだ・かおり) 1981年(昭和56)8月8日生まれ。97年9月、安倍、中沢裕子らと「モーニング娘。」としてデビュー。01年、中沢が抜けた後、2代目リーダーに。第1期メンバーとして最後までモー娘に残り、05年卒業までのシャッフルユニットに毎年参加。03年からソロ活動を開始。自作のイラストや詩で個展を開くなどしている。7月7日に元7HOUSEボーカルのケンジ(28)と結婚。血液型A。

 ◆モーニング娘。誕生10年記念隊 卒業生と現役メンバー23人の中から1期の安倍と飯田、3期の後藤真希(21)5期の新垣里沙(18)7期の久住小春(15)で結成。1月にシングル「僕らが生きるMY ASIA」でデビュー、8日に第2弾シングル「愛しき悪友へ」をリリース(22日にDVD版発売)。全国ツアーは9月1日にZepp Sapporo(中央区南9西4)で行われる札幌2回公演(午後2時30分〜、同6時〜)が最後。チケットは6300円、ローソンチケットで発売中。